『名探偵コナン 隻眼の残像』ネタバレとレビュー | 2025年公開の劇場版名探偵コナン『隻眼の残像(フラッシュバック)』が話題を呼んでいます。

『名探偵コナン 隻眼の残像』ネタバレ
物語は、長野県・八ヶ岳連峰にある未宝岳(みたからだけ)で起きた事件から始まります。
長野県警の隻眼の警部・大和敢助は、とある男を追って雪山を駆けていました。しかし、男の放ったライフル弾が彼の左眼をかすめ、直後に雪崩が発生。
敢助は命こそ助かったものの、左眼を失明してしまいます。
この事故のような事件のせいで、時折啄木鳥の足跡のような傷跡が中二病のように痛みます。
大和敢助と小五郎の再会がもたらすもの
それから10カ月後、長野の天文台で研究員が襲撃される事件が発生。現場に駆けつけた敢助は、事件の気配にどこか既視感を覚えます。
そんな中、毛利小五郎に一本の電話が入ります。かつての同僚「ワニ」からの連絡で、雪山の事件のファイルに小五郎の名前が記録されており、事件のことで近々会おうということだった。
この再会が、過去の事件と現在の事件をつなぎ合わせるカギとなっており、犯人に近づいてしまった鮫谷は、日比谷公園で撃たれ亡くなってしまう。
8年前と6年前の事件と長野県警の繋がり
8年前、長野県で発生した銃砲店強盗事件の犯人は、長野県警の甲斐刑事によって逮捕された。そのうちの1人・鷲頭は、司法取引によって刑が軽減され、執行猶予付きの判決を受けることとなり、その後は姿を消す。
一方、もう1人の犯人・御厨は、鷲頭の供述により実刑判決を受ける。だが6年前、御厨は仮釈放中に銃を所持して雪山に現れ、発砲。その場で諸伏高明に逮捕されることになり刑務所へ逆戻りに。
そして同じく6年前、長野県警の大和敢助もまた、何者かに命を狙われ、さらに雪崩に巻き込まれていたのだった――。
隻眼の残像(フラッシュバック)を観た率直な感想【ネタバレ込み】
ストーリーは面白い?つまらない?正直レビュー
全体の構成はしっかりしており、序盤の静かな空気から一気に事件が動き出す展開には引き込まれました。
ここ数年「あんま面白くないな」「演出が派手すぎて内容が微妙」だと思っていましたが、隻眼の残像は本編や歴代の映画に繋がるようなシーンが多く、ファンがより楽しめる内容になっており、大満足でした!
長野県警の3人と小五郎をはじめ、風見や安室透、蘭、少年探偵団も全員がカッコいいシーンがあり、それぞれ見せ場があったのはすごく良かったです。
過去のコナン映画との比較
『100万ドルの五稜星』との違いとは?前作『100万ドルの五稜星』はまさかのコナン(新一)と怪盗キッドがいとこで、しかも黒羽盗一が生きているというサプライズがありました!
今回の『隻眼の残像』はミステリー色が強め。
既存キャラを重要視しており、さらに『ゼロの執行人』やコナン本編の『風林火山』に繋がっているポイントがいくつもあり、ファンならではの楽しみがありました。
シリアスなトーンや人間関係の掘り下げも深く、より大人向けの印象を受けました。
近年の劇場版コナンは、年齢のせいもあってか、以前のようにハラハラドキドキすることが少なくなり、感情が動く場面も減ってきたように感じていました。
しかし今作では、諸伏高明がピンチに陥り、「三途の川」?を渡りかける場面で弟の諸伏景光が現れるなど、ハラハラする展開とウルっとくる感動が何度もありました。
また、小嶋元太と円谷光彦が犯人に襲われ、そこへ蘭が救出に駆けつけますが、今度は蘭がピンチに。そんな中、元太と光彦が2人で蘭を助けるシーンは、緊張感がありながらも、助かった瞬間に安堵と感動が重なり、思わず目頭が熱くなってしまいました。
ミステリー要素とアクションのバランスは?
近年のコナン映画は、派手なアクションシーンが目立つ傾向があり、古参ファンとしては「やりすぎでは?」と思っていました。
しかし『隻眼の残像』では、そのアクションがやや控えめ。その分、サスペンス要素やキャラクター描写の深みが際立っており、ファンの中でも好みが分かれそうです。とはいえ、昔からのファンには十分楽しめる内容だったのではないでしょうか。
一方で、アクションを期待していた層にはやや物足りなさを感じるかもしれません。
とはいえ、クライマックスに向けてはしっかり“いつものコナン”らしい、やや現実離れしたド派手なアクションシーンも登場し、思わず苦笑いしてしまう場面もありました。
名探偵コナンらしさは健在か
事件を解き明かしていく過程や、コナンが公安を見破ったり、盗聴器をしかけたのは風見だという洞察力は健在。コナンが安室透に連絡を入れ、風見と連携を取るシーンはゼロの執行人の続きのようだなと思いました。
小五郎が久しぶりにメインを張っている点も、往年のファンにとっては嬉しいポイント。
100万ドルの五稜星の時には、無理矢理少年探偵団を登場させた感がありましたが、今作はそれが無く、自然な流れだったので良かったです。
最後はド派手シーンがあり、灰原哀と高明の協力で光をコナンが飛んであてに行くシーンはさすがにやりすぎ!
滞空時間やば過ぎwとついツッコミたくなるやりすぎ演出でした。
犯人は予想できたけど伏線回収が凄かった!
『隻眼の残像』の序盤では、「犯人は2人?もしかして女性?」と思わせるような展開でしたが、実は犯人は被害者の元恋人であり、山梨県警の警部補にして“隠れ公安”だった林 鷹信でした!
風見が手伝っていた場面では「えっ?」と驚きましたが、林の動機を知ると納得できたし、由衣さんが彼の気持ちを少し理解するような表情を見せていたのも印象的で、少し切なくなりました。
また、小五郎が「ワニ」というあだ名を出したとき、それが“鮫谷”を指していたことにすぐ気づけなかった自分にもモヤモヤ。さらに、敢助を見張る目的で林が“世話係”を装っていたという展開にも、犯人が判明してから改めて腑に落ちる部分が多くありました。
鹿革の手袋といった伏線も、もっと注意深く観ていれば気づけたかもしれませんね。
そして何より、林を推理で追い詰めていく終盤のシーンでは、さすが長野県警のメンバーが揃うと頼もしさが違う!と感じさせられました。
林鷹信の結末がやばい!公安の闇
かなりのネタバレ
隻眼の残像の犯人だった、山梨県警所属でありばがら、裏では公安だった林鷹信の身柄は安室透率いる公安に引き渡されることに。
ハロウィンの花嫁では爆弾を付けられた安室透がいた、トイレはどうするんだろう部屋に監禁されている林。
ここでも安室透は司法取引を持ち掛け、「公安の名前を出さなければ終身刑にする」と裏で手を回そうとします。
「それがお前らのやり方か」と憤慨する林に対し、安室透は冷酷にもとれる態度で、公安のメンツを守ろうとします。
公安の裏をのぞいた感じがして恐怖感がありました。
そして最後に、風見が降谷のことを探ろうと?諸伏兄弟の名前を出しましたが、本編に逆輸入しそうな内容だなと思いました。
大和敢助の魅力と変化!ラストシーンは必見
過去の事件で左眼を負傷しながらも、真実を追い続ける大和敢助。
その姿勢は今作でも変わらず健在で、彼の誠実さや強さがより一層際立っています。今回はその内面にも深く切り込み、これまで以上に人間味のあるキャラクターとして描かれていました。
かなりのネタバレ
ラストでは、長野県警の3人が再集結し、事件を振り返るシーンが描かれます。実は敢助は、犯人を欺くためにコナンと協力し、自分が殉職したかのように偽装していたことが判明します。ただし、その真実を知っていたのは上原由衣だけ。
なぜ由衣にだけ明かしていたのか――高明は、コナンが由衣を必要以上に悲しませたくなかったのではないかと推察。
一方で、敢助は“あまりに悲しむ演技をする由衣”に対して「やりすぎだ」と指摘していたということも明かされ、2人の関係性が見え隠れする印象的なやり取りでした。
その後、由衣が“告白とも取れるセリフ”を口にするも、敢助はその意味をまったく理解していない様子…。
果たしてこの2人の恋は進展するのか? 今後の展開が気になります。
毛利小五郎の存在感がスゴい
今作では久々に“探偵・小五郎”としての実力を見せつける場面が多く、射撃が得意な小五郎がしれっと活躍し、カッコいいシーンがいくつもありました。
序盤はワニが亡くなった時などで小五郎らしくないリアクションが気になりましたが、後半では眠らず活躍する小五郎の姿にときめきました!
監督・脚本・音楽などの実力派スタッフ
項目 | 内容 |
---|---|
原作 | 青山剛昌 |
監督 | 重原克也 |
プロデューサー | 近藤秀峰、吉田剛志、岡田悠平 |
脚本 | 櫻井武晴 |
音楽 | 菅野祐悟 |
監督は重原克也氏で、今作の映画での監督は初!
脚本は櫻井武晴氏と、シリーズをよく知る実力派スタッフが担当。
音楽は菅野祐悟氏が担当しており、緊迫感と感動を両立したサウンドが印象的でした。
それぞれ今まで名探偵コナンの映画を担当してきた作品は以下。
担当 | 担当者名 | 担当映画 |
監督 | 重原克也 |
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脚本 | 櫻井武晴 |
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音楽 | 菅野祐悟 |
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100万ドルの五稜星や、ハロウィンの花嫁のときのBGMは違和感が凄かったですが、今作は全く違和感なく楽しめて良かったです。
雪山だったので雪がずっと降っていましたが、キラキラしていてすごく綺麗だったので、演出のこだわりを感じました。
隻眼の残像(フラッシュバック)の口コミまとめ!みんなの感想
SNSでは「感動した!」「泣けた!」という声と、「静かすぎて退屈だった」「話が地味」という声が真っ二つに分かれる?
評価・評判をチェックしていきましょう!
良い口コミ | 悪い口コミ |
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特にシリーズファンの間では、「面白い」という意見が大半を占めており、満足度が高い2025年の映画でした。
山田孝之&山下美月の声優は下手?上手い?リアルな評判
ゲスト声優として出演した山田孝之さんと山下美月さんについては賛否が分かれています。
山田さんは「声に重みがあって渋い」という評価がある一方で、「抑揚がない」「棒読みに聞こえた」という声も。
個人的には声優めちゃくちゃ上手い!と思いましたが、キャラの見た目と声が合ってない!というのが正直な感想。
山下さんに関しても「かわいい声」「演技に違和感」という真逆の反応が見られました。
声優初挑戦なのに頑張ってるな~練習したんだろうな~とは思いますが、残念ながらめちゃくちゃ浮いてて素人感がやばかったです。
主題歌が合わない!King Gnuは違う
隻眼の残像(フラッシュバック)の主題歌には、King Gnuの『TWILIGHT!!!』という曲が採用されていますが、正直に言って合わないと思います。
曲中の扉の音が入っているのはコナンらしさが入っていて良いとは思うんですが、普通に曲が合ってないw
King Gnuの曲は好きなんですが、コナンには合わないという口コミが多かったので紹介します。
- 今回のコナン映画の主題歌としては微妙だった
- コナン映画観てきた!主題歌King Gnuじゃないだろ
- 主題歌が“うーんて感じ毎回主題歌良いのに
- 主題歌だけ歴代のワースト入るだろってくらい映画と合ってなかった
- 雰囲気に合ってなかった
- King Gnu正直めちゃくちゃ微妙じゃなかったですか?
- 作品にマッチしてるとあんまり感じなかった
- 今年のコナン映画主題歌はちょっとよくわからなかった
- 個人的に主題歌はあんまり好みじゃなかった
などといった口コミがありました。
もちろん、「神曲」「素敵な曲だった」という口コミもありますが、古参のコナンファンからすると「合わない」という口コミの方が多かったです。
隻眼の残像(フラッシュバック)が伝えたかったテーマを考察
- 隻眼=失ったものと向き合う意味
- コナン映画としての進化と挑戦
隻眼=失ったものと向き合う意味
本作のタイトルにもある「隻眼」は、大和敢助というキャラクターの象徴的存在。物理的に失った“左眼”は、過去の自分、あるいは真実を見ようとしなかった心の目を意味しているのではないでしょうか。事件を追う中で、敢助が過去と向き合い、真実を見つけ出す姿は本作の核心です。
コナン映画としての進化と挑戦
毎年恒例となった劇場版コナンシリーズですが、今回はいつもと毛色の違うアプローチ。アクションやスパイ要素に頼らず、“人間ドラマ”と“静かなサスペンス”に挑戦した姿勢は評価されるべきでしょう。挑戦的な一作であることは間違いありません。
隻眼の残像(フラッシュバック)の見どころと評判まとめ
- この映画をおすすめできる人
- 隻眼の残像がおすすめできない人
- コナンの映画は来年どうなる?2026年の次回作への期待
この映画をおすすめできる人
おすすめなのは、コナン映画の“新しい形”を受け入れられる方、そしてサスペンスドラマが好きな方。
逆に、ド派手なアクションやテンポの速さを期待している人には、やや不向きかもしれません。
どちらかというと“大人向け”な雰囲気です。
しかし、100万ドルの五稜星よりもミステリーの部分はわかりやすく、伏線回収が気持ちいいです。
隻眼の残像がおすすめできない人
隻眼の残像がおすすめできない人は、コナンの映画ならではのド派手演出が好きな人にはおすすめできません。
コナン本編をきちんと観ていない人も、観ていて面白くないしつまらないと思います。
- 風林火山
- ゼロの執行人
- 36マスの完全犯罪
- 裏切りのステージ
- キッドvs高明
- ハロウィンの花嫁
あたりの回は必須かなと思います。
予習が必要な人にはおすすめしたい。
コナンの映画は来年どうなる?2026年の次回作への期待
本作では明確な“来年への伏線”は描かれていないものの、小五郎や敢助といったベテラン勢に焦点が当たったことで、「次は誰がメインになるのか?」という楽しみが広がりました。
予告では風の女神と重悟が登場したので、2026年の映画はラブな予感ですね。
新たな挑戦を経た今後の劇場版コナンに、さらに期待が高まります。